新年あけましておめでとうございます。
今年もブログ「翻訳がーる。」をどうぞよろしくお願いいたします。
昨年末、ようやくクラウドソーシングサイト「conyac」の翻訳レベルテスト(英日/standard)に合格しました!ウェイウェイ♪
最初に受けたのが2年前の秋のことなので、なんと苦節2年と3か月。7度目にしてついに悲願の合格を果たしたわけでございます。。゜(゚´Д`゚)゜。ウァァン
我ながらよく頑張ったと感無量の気分ですが、受かる前には手ごたえあり。これまで6回の不合格と、7回目のチャレンジでは自分の中に違いがあったので、今後につなげる気づきとして振り返っておきたいと思います。
まず、6回目の不合格から、合格するまでに約2か月空いたのですが、この2か月の間に初めて、勉強だけではなく【生の現場で翻訳の実践】をしたんです。
実は最近、フリーランスだけで食べていく目標を掲げながら、とある会社のパートで翻訳の仕事をはじめました。内容は外資系企業の社内翻訳の仕事で、対外向けの資料・ウェブサイト等の和訳や、社内資料の英訳・和訳などをしています。
その経験がものすごくプラスになり、これまでの勉強と相乗効果でぐいぐいレベルアップできたんですね。(このパート先、なかなかに最高のところを引き寄せたな~と思っているのですが、これはまた別の記事で(^-^)/)
そのひとつのエピソードですが、
パートの仕事を始めて間もない頃、イベントのチラシの和訳の仕事が私にまわってきました。
文字よりも写真やデザインがメインとなる豪華クルーズのA4チラシで、私が翻訳したのは数百字程度でした。
そこで、日本人社員(英語はできない)の一人が、私が翻訳したチラシを見て一言。
「豪華クルーズのチラシに「飲み放題」って何か安っぽいなぁ…」
この一言に、めちゃくちゃハッとしました。Σ⊙▃⊙川ハッ
英語原文には「all-you-can-drink(飲み放題の)」という言葉が使われていたため、そのまま「飲み放題の」と私は訳したんです。間違ってはいないけれど、この方の言うとおり、イベントの内容的に高級感が大事な場面で、忘年会じゃあるまいし「飲み放題」という言葉はそぐわない。
※ちなみに、最終的にチラシには「アルコールやソフトドリンクをご用意しています」というようなシンプルな表現が採用されました。
翻訳スクールの先生や英語が読める人なら、「たしかに、そう書いてあるよね」って、言い訳を許してくれたかもしれない。でも、実際にこのチラシを見る人は、原文がどうかなんて当然知らないし、翻訳されたものかどうかなんて関係ないですよね。
ただ変換するだけでなく、実社会に役立つ言葉をイメージすること。
考えてみれば、ごくごく当たり前のことですが、「読者」や「使用場面」に合った文体や言葉遣いで翻訳することの大事さに、あらためて気づきをもらった出来事でした。
それからは、「読み手の視点に立つ」ということが前よりも腑に落ち、訳すときや見直しの際に自分の訳文を見て、日本語としておかしい訳、文脈や場面的に不自然な訳が不思議と見えてくるようになりました。一つの文章として成立しているかどうかを確認しながら訳すので、誤訳をなくすことにも役立っていると思います。
話を戻すと、テストに挑むときにも「採点者」に向けた翻訳ではなく、「実際の読者」を想定して訳すようになったことで、あと一歩、合格に及ばなかった最後のピースをはめることができて、今回の合格につながったのかなと思っています。
翻訳の求人を見ると、よく「実務経験〇年以上」という条件がありますが、実際に現場に出てみないと気づけないこともやっぱりあるんだな、と少し納得がいきました。
仕事は人に喜んでもらうもの。
翻訳の勉強に没頭するがゆえに失っていた仕事の原点を、思い出させてもらった気がします。フリーランスを目指している方でも、社内翻訳を少しでも経験してみるのはすごくおすすめです!✧٩(ˊωˋ*)و✧
以上、最後までお読みいただきありがとうございました!
\おすすめ本!豊富な例文とともに翻訳テクニックが学べる!/
コメント